
ayat1181 :さて、DJインタビュー第二回目は青山LOOPのオーナー、DJ MOCHIZUKIさんです。
DJ MOCHIZUKI:どうぞよろしくお願いします。
ayat1181 :それでは月並みな質問からで申し訳ないのですが、DJを始めるきっかけを教えて下さい。
DJ MOCHIZUKI:はい、僕の場合は19歳の頃からなんですけど、丁度大学のサークルがパーティー開催系のサークルでして…
ayat1181 :それはDJイベントを行うサークルでしょうか?
DJ MOCHIZUKI:いえ、DJのイベントに限らずにパーティー全般という感じでしょうか…ディスコを借りてやったりしてましたね。
ayat1181 :では、そこのサークルでDJを始めたという事でしょうか?
DJ MOCHIZUKI:いいえ、DJ自体を始めたのはディスコにDJ見習いとして働き始めたのがきっかけですよ。
ayat1181 :DJの見習い店員ですか?それはどんなお仕事内容だったのでしょうか?
DJ MOCHIZUKI:とりあえずお店のオープンが夕方5時で閉店が明け方の5時…オープンからラストまで通し番で入ってました。
ayat1181 :…え?実働12時間労働ですか?
DJ MOCHIZUKI:はい(笑)けど、好きだったから全然辛いとか思ったことは無いんですよ。
ayat1181 :見習いという事でしたが、やっぱりDJさんの付き人的な感じなのでしょうか?
DJ MOCHIZUKI:いいえ、見習いといいましてもあくまで店員ですので、最初はひたすら照明ばかりやってましたね。あとは、オープンして間もない早い時間帯に少しづつDJをさせて頂ける様になっていきました。
ayat1181 :なるほど…ディスコと言っても数有る中、そのディスコに決めた理由というのはやはりあったのでしょうか?
DJ MOCHIZUKI:……えっ?……ええと………(笑)
ayat1181 :…………え?……あら、聞いてはまずかったでしょうか?
DJ MOCHIZUKI:いや、あの…すごくお恥ずかしい話しなんですけど…
ayat1181 :あらら、そんなの聞いてしまったら是非お伺いしないと(笑)
DJ MOCHIZUKI:えーっとですね…そもそも僕の勘違いから始まったんですよ。
ayat1181 :勘違いですか?勘違いと申しますと?
DJ MOCHIZUKI:当時すごく好きなHOUSE系のクラブがあったんですけど、名前が似ていたのでその系列店だと勝手に思い込んで応募しちゃったんです。ちなみに求人雑誌に普通に載ってたんですけどね。
ayat1181 :あ、でも私も結構そういう勘違いします!
DJ MOCHIZUKI:本当ですか?いや、でも僕が入ったディスコはクラブじゃなくてディスコでしたからね、ダンクラにパラパラみたいな…自分のやりたかった方向性とは明らかに違う感じでしたが、でも、これはこれでとても楽しかったんですよ。普段自分が聴かないような音楽もたくさん聴けてとても勉強になりましたし。
ayat1181 :結局このお店ではどれぐらい働いていらっしゃったんですか?
DJ MOCHIZUKI:大学生活中はフルに謳歌してた感じですので4年弱ぐらいでしょうか…。そう考えると長いですね。でも、後日談エピソードがちゃんとありまして、その後大学のサークルのメンバーを通じて、元々の目標であった“クラブ”でDJをする事になったり、さらには経営に携わっていくことが出来たんですよ。
ayat1181 :え?それはかけもちということでしょうか?
DJ MOCHIZUKI:そうですね。ディスコの方が休みの時はクラブの方へシフトを入れてたんですけど、少しづつディスコのシフトを減らしてクラブの方のシフトを増やしていきました。
ayat1181 :なるほど…では、MOCHIZUKIさんがHOUSEをやり始めたきっかけを伺っても良いでしょうか?
DJ MOCHIZUKI:もともと、マドンナ、デビッドボウイ、プリンスとか、洋楽メジャー系アーティストの音楽は良く聞いていたんですけど。DJやり始めの頃は、SOUL U SOULとかグランドビートものは凄い好きで。HOUSEの面白さを本気で感じたのは、やはりGOLDですね。
ayat1181 :他にHOUSEで衝撃を受けたものってありますか?
DJ MOCHIZUKI:色々あったのですが、衝撃的だったのはTony Humphriesでしたね。NYのDJです。それからドップリとHOUSEにはまって行きましたね。アーティストとかも良く分からなかったし、今ほど試聴が出来る環境では無かったので、とにかくかたっぱしから買ってる感じでしたね。シカゴものとか多かったかなぁ。
ayat1181 :ちなみに当時よく行ってたレコード屋さんはどちらでしょうか?
DJ MOCHIZUKI:六本木の「WAVE」というレコード屋によく行ってましたね。渋谷のロフトの上にもありました。あとは、ウィナーズってお店とかありましたね。今でも現存しているお店でいうとDMRさん、マンハッタンさん、CISCOさんなどですね。
***LOOPとloop soundsについて***
ayat1181 :それでは、今回のインタビューの本題ともいえる質問を伺って行きたいと思いますが、都内有数の老舗とも言われる青山LOOPのオーナーとしてのお話しをお聞かせ下さい。
DJ MOCHIZUKI:はい、LOOPに関して一貫してこだわっているのはやはりパーティーのブッキングですね。現在は店長の寺田くんに殆どお任せしてますけど、とにかく雰囲気重視なところがありました。
ayat1181 :雰囲気重視と申しますと?
DJ MOCHIZUKI:うちでパーティーをやってくれるなら誰でもいいというわけではないんですよ。やはりある程度選ばせて頂いてましたね。
ayat1181 :なるほど…私も実際何度かLOOPさんのイベントへは遊びに来させて頂いてますがどれも良質でクオリティが高いと感じています。
DJ MOCHIZUKI:本当ですか?ありがとうございます。やはり、立ち上げ当初は多少パーティースケジュールが空いてしまっても内容重視でこだわったブッキングをしていましたね。がっちりしたメンバーで脇を固める…じゃないですけど。
ayat1181 :あの、LOOPさんってサウンドシステムなんかも相当こだわってらっしゃいますよね?
DJ MOCHIZUKI:あ、分かりますか?(笑)いやあ、音だけはどうしてもね、本当に譲れなかった部分ですよ。もし、「今日初めてClubに来てみた」っていうお客様がLOOPに来て頂けたとして、「なんだClubってこんなもんか」ってガッカリさせてしまったら申し訳ないなと思って…。今は無き青山の「MANIAC LOVE」さんとか小ハコながら音がすごかったじゃないですか?
ayat1181 :うわ!「MANIAC LOVE」さん私もよく行ってました!
DJ MOCHIZUKI:本当なくなってしまったのが惜しいですよね…。Clubってやっぱり音でお客様をおもてなしする場所なので、ご期待に沿えるべく、サウンドシステムはちょっと頑張っちゃいました。
ayat1181 :あと、DJ MOCHIZUKIさんには是非loop sounds主宰に関しても伺いたいのですが…
DJ MOCHIZUKI:そうですね、もともとはLOOPからアーティストやクリエイターを世へ送り出したいと思ったことが始まりです。実際にデモなどをよくLOOP側へ持ってきて下さる方もいらっしゃったので、割と自然な流れで出来上がったレーベルだと思います。
ayat1181 :立ち上げにあたって何かご苦労された点とかはございましたか?
DJ MOCHIZUKI:いえ、自然な流れで立ち上がったので苦労をしたという感じでは無かった気がします。もともと、LOOP有りきのレーベルですので、極端な販売枚数の縛りやリリース数の縛りは有りませんし。良いと思ったものを、良いと思った時に出す、的なリリースの仕方をしています。
ayat1181 :loop soundsからリリースされるナンバーの基準というものはありますか?
DJ MOCHIZUKI:やはりクオリティは勿論のことなんですけど、それプラスアーティストの熱意や将来性というものもありますね。曲をどこまで作りこんでいるかという所とこの先ずっと曲作りを続けていけそうな人なのかというのは最初に見させて頂く箇所ではあります。
ayat1181 :なるほど…
DJ MOCHIZUKI:あとは音の質感ですね…ダンスミュージックのレーベルなのでフロアでかけた時の音の鳴りは凄く気にします。DJ自身はもちろんフロアのお客さんの反応はどうなんだろうか?とか。やはりフロア映えするトラックをリリースして行きたいですね。
ayat1181 :DJ MOCHIZUKIさんはご自身でも曲作りをされていますが、その辺りの事も伺ってもよろしいでしょうか?
DJ MOCHIZUKI:曲作りの事ですか…どんな事を話せばいいんだろう(笑)
ayat1181 :じゃあ、まず一番知りたい使ってる機材を教えて下さい!
DJ MOCHIZUKI:マシンはMacのG4でOSX、ソフトはLogicとReasonを併用しています。他はAKAIのMPC2000XL、RolandのJP8000、JX1000などなどです。
ayat1181 :…ダメだ…作曲しない人にとっては何語だかさっぱりわからない単語です…。
DJ MOCHIZUKI:(笑)ですよね。
ayat1181 :ちなみにDJ MOCHIZUKIさんが作曲をし始めたのはだいたいいつ頃からでしょうか?
DJ MOCHIZUKI:趣味っぽく機材を買ってやっていたのは15〜16年前ぐらいだったと思います。本気でやり始めたのは8年ほど前からで、初リリースは2000年でした。
ayat1181 :ちなみに作曲はお一人でされていますか?
DJ MOCHIZUKI:そうでうね、打ち込み系の音は全て自分一人で作っていますが、僕は楽器ができないので楽器の生の音が欲しいときは知り合いなどに頼んで音を出して頂いてます。
ayat1181 :そういえばMOCHIZUKIさんはリミックスなどもやりますよね?
DJ MOCHIZUKI:はい、リミックスはなんだかパズルをやっているような感じですね…音と音を組み立てて行く様な、音楽の理論が分からなくても勢いでできてしまうのでリミックス作業は好きなんです。
ayat1181 :音楽の理論と申しますと?
DJ MOCHIZUKI:ええ、実は音楽をきちんと勉強してきたわけではないので作曲はいつも試行錯誤の連続なんです。
ayat1181 :そうなんですか?では学生時代は何か別の事を?
DJ MOCHIZUKI:はい、高校までは絵を描いてました。油絵なんかを…
ayat1181 :へえー!個人的に興味があるのでちょっとそこを詳しく…
DJ MOCHIZUKI:本当はですね、大学とかも美大に行きたかったんですよ。それぐらい絵に関してはとても本気だったんです。絵はいいでせすね。ああいうの描きたい、やってみたいって最初構想を考えるじゃないですか。意外と思っていた通りに描けるんですよね、何故か。のってくると勢いで手がどんどん動いてくれる感じで。まあ、結局絵の方へは進まなくて、現在に至っているわけですが。。。将来的には、また描きたいですね、やっぱり。
ayat1181 :そうなんですか…なるほど…
DJ MOCHIZUKI:絵、っていうか油彩を描く時の感覚と、音楽を作っている時の感覚で、少し似ているところがあって。ドンドン重ねて塗っていくんですよ、油彩って。そういう技法というか、良くわかんないけど、とにかく僕は、重ねて塗りまくって。描いて何日か置いて乾いたら上からまた描いて、みたいな。でもって、削っていって、また描いて、最終的には何だか良く分からなくなる(笑)。音楽も、僕の場合音と音を混ぜ合わせて楽しんでいるというか。熱くなっている時なんか、凄いですよ。リズムパターン、5パターン位作って無理やり合わせたりしてますから(笑)。最近は控えめに控えめにーっていうか、削ぎ落とす楽しさもちょっと分かってきた感じですが。。周りからゴチャゴチャ過ぎるとか言われてるのちょっと気にしたりしてます(笑)。とにかく曲作りに関しては、本当に試行錯誤していますよ。DJも考えてみると、特にHOUSE系の音は、混ぜ合わせ具合が醍醐味のところあったりしますね。そこでグルーヴ出すとか。
ayat1181 :へえ〜!絵も音楽も芸術性に通じる部分がありますよね?
DJ MOCHIZUKI:そうですね。本当にそう思います!
***これからDJを始めたい人へ***
ayat1181 :では、最後にこれからDJを始めたいと思っている人たちへメッセージとアドバイスをお願いします。
DJ MOCHIZUKI:アドバイスですか…難しいですねえ…(笑)
ayat1181 :あ、ちなみにMOCHIZUKIさんはどなたかあこがれているDJさんとかいらっしゃいますか?
DJ MOCHIZUKI:いますよ!僕はDJの中では、DJ Harveyが一番ですね。上手く説明出来ませんが、グルーヴを感じさせてくれるDJです!日本人だったらやっぱりDJ NORIさん、高橋透さんですね。テクニック的な部分ならKARIZMAには凄い刺激を受けました。
ayat1181 :やっぱり憧れのDJさんとか目標を作った方が良いのでしょうか?
DJ MOCHIZUKI:うん、それも良いと思います。けど僕はDJをする上で、groove感ってやっぱり大事だと思うんですよ、音に“意思“を持たせるみたいな。
ayat1181 :自分が楽しむといいますと?
DJ MOCHIZUKI:DJをする上で、groove感ってやっぱり大事だと思うんですよ。音にストーリー性を持たせるみたいな…。けどそれってプレッシャーを感じながら意識してやるものじゃないと思うんですよ。なんというか…空気感というか…。けど、それを感じるにはやっぱりその音楽を自分が好きでいなきゃ駄目です。
ayat1181 :私はDJではないのでよくわからないのですが、DJさんってみなさん頭で考えずに感覚でやってらっしゃるんでしょうか?
DJ MOCHIZUKI:いいえ、これはあくまで僕の場合です。僕もディスコDJの経験も有りますし、営業的なDJスタイルや理論的なDJもする事も有りますし、全然否定する気も有りません。ただ僕自身のテーマというか、課題的な部分で勘や感覚、空気感でGrooveを作ろうと心がけています。
ayat1181 :なるほど…その辺がやはり絵をやっていただけあって芸術肌ですね。
DJ MOCHIZUKI:まあ、僕が芸術肌かどうかは??ですが(笑)。何か芸術かって事はさて置き、DJの醍醐味って「伝えること」だと思うんです。
ayat1181 :伝えることですか?
DJ MOCHIZUKI:ええ、DJはフロアに来ているお客さんを踊らせ、楽しませなくてはいけません。じゃあ、そうする為には何をしなければいけないかというと、まずは自分がその時間、空間を楽しむことです。自分が楽しむ事でお客さんに何かを伝えられる。僕はそう思います。音に意思をのせるっというか、思いを込めるというか。「これヤバイ曲だろー?」でもいいし、「楽しいよー」でも「悲しいよー」でも、それこそ「好きだー」でも(笑)、何でもいいと思うんです。で、あとはHOUSE系では自分のセットの中でストーリーを組み立てていく感じですね。自分の描いたストーリー、それが元々作りこんであるものであっても、突発的な話であっても、とにかく読んで聴かせる事がDJだから。DJと絵と違う所は、その時間軸的な所ですかね。その繋ぎは凄い良かったけど、飽きるね、ってなっちゃったら寂しいし。選曲はいいんだけど、繋ぎ聞いてられないよね、っていうのもあるだろうし。そういう部分では映画的な要素もありますね。ちょっと本題とそれてしまったけど。
ayat1181 :いやいや、そういう話し大歓迎ですよ!
DJ MOCHIZUKI:本当ですか?良かった(笑)これからDJをやりたいと思っている人は、まず曲を好きになってください。好きなら飽きない、きっと続けられます。DJに限らず、根本に「それが好きだ」という気持ちはとても大事で、今後もし自分が行き詰った時、一番助け出してくれるものだと思います。
ayat1181 :そうですね、「好きこそものの上手なれ」とはよく言ったものです。
DJ MOCHIZUKI:ええ、本当そうだと思います。あまり「自分はDJだから…」とプレッシャーを抱えたり、意識をしないで、「自分の好きなものを人に伝える」というシンプルでラフな気持ちで良いと思いますよ。
ayat1181 :なんだかMOCHIZUKIさんにそういわれるととっても説得力があります。
DJ MOCHIZUKI:そうですか?(笑)いやあ…お恥ずかしいです。
ayat1181 :今日はいろいろと貴重なお話しをありがとうございました。次は青山LOOPのハコ取材もお願いしますね。
DJ MOCHIZUKI:是非よろしくお願いします!どうもありがとうございました。aya_t1181の感想:
MOCHIZUKIさんはさすがLOOPのオーナー、そしてloopsoundsの主宰。
最初に感じたのは行き届いたビジネスマナーでした。細かな相手へ対しての気配りに心遣い。
人の上に立つ人間はやっぱり違う。素敵な「大人の男性」でした。
質問をしているときは真剣な表情で、雑談をするときは人を安心させる様な笑顔で。
MOCHIZUKIさんは不思議な魅力を持った方だと感じました。
私個人的にはMOCHIZUKIさんの曲は「Star...libre 」が一番お気に入りです。
MOCHIZUKIさんのMySpaceでも視聴可能ですので是非聴いてみて下さい。













